藤城清治の世界展
恵比寿ガーデンプレイス内にある、東京都写真美術館で開催中の藤城清治の世界「光と影のシンフォニー」展を観て来ました。
もうすぐ会期が終わるし金曜日だからか、大変な込みようで、なんと入場制限が!入ってみるとなるほど入場制限もうなづける人ごみです。
また9割がたが女性!!おばさま率も高い・・・。
後から気がついたのですが、この展示室は地下1階「映像展示室」というところ。
最初っから狭いのわかってるんじゃ?という感じです。
影絵という特徴からこの部屋が決まったのかもしれませんが、狭すぎました。
通路が狭いところに細かい切り絵を見ようと人が集まって立ち止まるため、なかなか進まないんですね。
藤城清治さんは今年80歳になられたそうです。
私が小さい頃から大好きでいた小人さんやネコのモチーフは今でも健在。
今年発表した作品がいくつか展示されていましたが、大変大きな作品もあり、しかもそれがとてもすばらしい構成で息を呑むほどの緻密さ。
影絵は黒い紙とセロファンで作るようなイメージがあったのですが、藤城清治さんの作品の実物を見て、それが全然違うことを知りました。
薄い紙を何枚も重ね、ぼかしたいところは厚くしたり、色を重ねたり、とても細かい紙片が何枚も重なったりで、いったいどのようになっているのか見当もつきません。
なんども近づいてじっと見たのですが淡い色を表現している部分はどの紙がどのように重なっているのか分かりませんでした。そういう製作過程のような部分も展示されているとよかったのに、とも思いましたが、スペースありませんでしたね。
テーマとしては西遊記や聖書を作品にしたものもありました。
また、「銀座いろはかるた」のように銀座の街を連作にしたもの、絵本として出版された物語のものなど。
それからWe are the Worldによる飢餓救済の作品もあり、BAND AIDのメンバーの似顔絵がものすごく似ていて、とてもびっくりしました。スケッチじゃなく影絵ですよ?!
今回鏡と水を使った展示がいくつかありました。
藤城清治さんの展覧会に行くのは初めてなので、いつもこうなのかもしれませんが、合わせ鏡や水面に映る影絵は「永遠」を思わせ、演出としてうまくいっていると思いました。
プラスチック製のピアノがくるくる回っているのはちょっと過剰な感じがしたのですが、これが一番子供達のお気に入りになっていました(^_^;
小さなかみそりの刃だけを使って紙を切っていくそうですが、印象的だったのは「木」。細かい葉をひたすら切り取っていて、その葉が幹や枝に連なるようになっている、という構成のうまさ。
それから小品ながら強い印象を残したのはステンドグラスのある聖堂内部を描いた作品。
ステンドグラスの大変な緻密さに写真のような立体的な柱を配した荘厳な雰囲気をかもしだしたもので、一度戻って見直してしまったほど。(^_^;
藤城さんの制作意欲は80歳にしてなお益々盛んなのだと思います。
物を作り出す力というのは本当にすごい。
私もそういう力を持ち続けていたいと思いました。
そうそう、最後に。
ケロヨンというカエルのキャラクターは藤城さんが作られたのだと初めて知りました。
幼稚園の頃、とても流行っていたキャラクターだったと思います。
母が劇に連れて行ってくれて、ケロヨンが「けーろよ~~~ん」としゃべっていたことを覚えています。
嗚呼懐かしのケロヨン。
藤城清治さんの公式サイト 藤城清治 影絵の世界
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